アオリイカ

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真核生物上界 動物界 後生動物亜界 軟体動物門 貝殻亜門 頭足綱 二鰓(鞘形)亜綱
 ツツイカ目 開眼亜目 ヤリイカ(ジンドウイカ)科 アオリイカ亜科 アオリイカ属


外套長: 40cm


学名: Sepioteutbis lessoniana


英名: Bigfin reef squid (Bigfin = 大きな鰭 reef = 岩礁 squid = イカ)
Oval squid (Oval = 卵形の、長円形の)

漢字名: 障泥烏賊


地方名: アオイカ、バショウイカ(静岡)
アキイカ(京都)

北海道以南、日本沿岸、インド洋、太平洋に生息する。特に九州から沖縄に多い。

大きな半円形の鰭を持つのが特徴。和名の由来は、その鰭をあおって泳ぐさまからと言うものと、体の両側の鰭を馬具の障泥(アオリ)に見立てたと言う説がある。

胴部は広がった円錐形で、甲は透明で薄い。

イカやタコの仲間は繁殖期になると、雄の腕の一本が生殖腕となって、精子を入れたカプセルを雌の外套腔内に送り込み、受精する。 5月から8月が産卵期で7個くらいの卵を含んだ袋を120から250個を海藻などに産み付ける。ダイビングポイントなどでよく見かける木の枝はアオリイカの産卵場所として人工的に沈められたものである。

イカやタコの泳ぎは漏斗から吐き出す水による推進力によるが、タコと違うとことは、イカは胴部の回りにあるヒレを波立たせることにより停止も後退も自在にすることができることである。これにより、浮遊性の魚や甲殻類も捕食することができる。

獲物を捕まえるときはその近くでピタリと止まり、色を薄くして、蝕腕といわれる腕を瞬時に伸ばしてその吸盤に吸い付けてしまう。

イカの吸盤は腕に2列に並んでいて、お碗型をしている。お碗の縁は角質環というギザギザのリング状になっていて、そのリングで吸着する。ちなみにタコの吸盤は筋肉の収縮によって吸着する。

イカとタコの違うところは墨もある。タコの墨は吐き出されると煙幕となって海に広がるが、イカの墨は吐き出されるとそのままの形で水中に残る。イカは自分の分身を置き、敵にそれを襲わせてその間に逃げるのである。

タコの墨は食用にされないが、イカの墨は食用にされる。これはイカ墨にリゾチームという物質による防腐効果があり、アミノ酸を含んだ旨味成分が多い為である。

肉質は半透明で刺身にするは甘味があり、歯ざわりもよく美味しい。寿司だね、焼き物にもする。加工品としては一夜干にした「みずするめ」「藻するめ」の他、外套を開かずに干した「袋するめ」があるが、今ではあまり見られない。

イカやタコにはタウリンとコレステロールが多く含まれている。このタウリンは血管内に溜まったコレステロールを掃除してくれるので、血液の流れを良くしてくれる働きがある。コレステロールの多いイカものを食べても、安心である。人間の精力にはコレステロールが大きな役割を担っているが、イカを食べた次の日などは絶倫となる。お試しあれ。

日本の主な漁場は南西諸島で、漁法はえび等に似せた餌木で釣り上げる。漁期は夏で釣りなどでも対象にされる。

丹後地方ではアキイカと呼ぶ。秋に大きく成長したものを開き、ひと塩するめにするが、それを家々の軒に吊るす風景は秋の風物詩となっている。

イカの墨は19世紀頃は絵の具やインクとして用いられていたが、残念ながら色あせてしまう。学名からこのあせた色をセピア色という。