ホンソメワケベラ

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真核生物上界 動物界 後生動物亜界 脊索動物門 脊椎動物亜門 顎口上綱 条鰭綱 新鰭亜綱
 スズキ目 ベラ亜目 ベラ科 カンムリベラ亜科 ソメワケベラ属


全長: 12cm


学名: Labroides dimidiatus


英名: Bluebacked black wrasse (Bluebacked = 青い背中の wrasse = ベラ)

漢字名: 本染分倍良


千葉県以南、インド洋・中部太平洋に分布する。
浅海の岩礁域・サンゴ礁域に生息する。

他の魚に付いた寄生虫を食べるクリーナーとして有名である。大型魚の鰭のまわりや鰓・口の中を丹念に掃除するが、口の中を掃除していても捕食される事は無い。あまり相手が大きいと、数匹がかりで掃除したり、また自分より小さい魚も掃除したりする事もある。

数匹の群れを作り、決まった場所に住んでいる。そこをクリーニングステーションとしているので、多くの魚が掃除をして貰おうと訪れるのである。この群れは数匹の雌を従えた雄のハーレムで、一番大きい雌が性転換をして雄になっている。ホンソメワケベラは生まれながらにして、雄がまったくいない種類である。

雌から雄に性転換するメリットは多くの子孫を残せる事である。小さい時は雌として卵を産み、大きな雄に受精させておく。大きくなってからは雄に性転換して縄張りをもち、多くの雌を従え、その卵を受精する。雄は1日に何十匹もの雌の卵を受精させる精子を作ることができるのだ。

このホンソメワケベラの姿を真似したニセクロスジギンポと言う魚がいる。この魚はホンソメワケベラの振りをしていて、クリーニングをしてもらおうと近づいてくる魚の鰭や皮膚を食いちぎって食べる魚なのである。