キアンコウ

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真核生物上界 動物界 後生動物亜界 脊索動物門 脊椎動物亜門 顎口上綱 条鰭綱 新鰭亜綱
 側棘鰭上目 アンコウ目 アンコウ亜目 アンコウ科 キアンコウ属


全長: 150cm


学名: Lophius litulon


英名: Yellow goosefish (Yellow = 黄色い goose = ガチョウ)

漢字名: 黄鮟鱇


地方名: アンコウ、ホンアンコウ・アンコオ(高知)

北海道南部以南、黄海、東シナ海北部に分布する。
水深500m付近までの沿岸浅海から陸棚や陸棚斜面の砂地、海山などに生息する。

アンコウに似るが、本種は舌の先端が白色であるのに対し、アンコウは灰黒色に黄色い斑紋があることで区別できる。体は淡褐色で、暗褐色の斑紋が散在する。また、アンコウは胴部と尾部が頭長より短いのに対し、本種は頭長より長い。

アンコウ類の重要な特徴は頭部背面の背鰭棘が変形した誘引突起があり、その先にエスカと呼ばれる疑似餌があることである。ちょうど竿の先に小動物をつけたような状態で、獲物が近づくとまるで生きているかのように動かし近くまで誘き寄せる。引き寄せられた獲物を大きな口を開け、大量の水と共に一瞬にして飲み込んでしまうのである。その飲み込み方は大変素早くビデオのスロー再生でないとわからないほどだ。また、口が大きく、口内も広がるので、自分の体の70%ほどの魚や、自分の体長より長いものを食べる事が出来る。アンコウの胃から海鳥類が発見されたという報告もあるほどだ。一度に口に入らなくても、一度咥えた獲物は内側に倒れている多数の鋭い犬歯状の歯によって逃がす事は無い。

アンコウの和名の由来は、のろまと言う意味の暗愚から、「暗愚魚(アングウオ)」の転訛したものと言う説。千葉の方言でヒキガエルをアンゴオと言うことから、ヒキガエルに容姿がにていることから来ていると言う説がある。「キ」は黄色いから。

食用になり、旬は冬である。底曳網で漁獲される。アンコウと同様に身が柔らかいので吊るし切りにして、鍋物などにする。エラ、ヒレ、皮、肝、胃、卵巣、肉はアンコウの七つ道具といわれいずれも食べられる部分である。アンコウの肝と皮は身に勝る味とされ、霜降りか茹でて食べる。これは寄生虫の危険があるためである。アン刺し、肝刺しといえども必ず熱を通すこと。皮は霜降りにする前に包丁で内側をよく扱くとよい。