ニザダイ

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真核生物 動物界 後生動物亜界 脊索動物門 脊椎動物亜門 顎口上綱 条鰭綱 新鰭亜綱
 スズキ目 ニザダイ亜目 ニザダイ科 ニザダイ亜科 ニザダイ属


全長: 50cm


学名: Prionurus scalprum


英名: Sawtail (Saw = のこぎり tail = 尾)
Surgeonfish (Surgeon = 外科医)
Scalpel sawtail (Scalpel = 外科用メス)

漢字名: 仁座鯛


宮城県・新潟県以南、台湾に分布する。
外洋に面した岩礁域に生息する。

体型は側扁した楕円形で、吻は少し突き出し、口は小さい。鱗は小さく繊毛状で体色は灰褐色だが、成魚になると銀白色へと変化する。

最大の特徴は尾柄部に4〜5個の黒い斑紋と棘のある骨質板があることで、そのうちの3個は特に大きい。その3個の黒い斑紋があることから「オサン」「サンジルシ」「サンノジ」はたまた「上等兵」などと呼ばれる。棘は大変よく切れ、素手で触ったりするとスパッと切れてしまうことがある。この棘を外科医のメスに例えて、英名ではサージャンフィッシュと呼ばれる。

ニザダイのニザはニイセ・ニセ(新背)がなまったもので、新しい男、新たに大人の仲間入りをした若い男のことを言う。或いは、ニサイがなまったもので、青二才のことを言う。いずれも「鯛の仲間のはしくれ」とか「青二才の鯛」という意味である。

胸鰭が大きく、鳥がはばたく様にして泳ぐ。また、大きな胸鰭は岩礁域で餌を食べるときに、バランスをとるために都合がいい。餌は石灰藻類を主に食べ、紅藻類や緑藻類を食べる藻食性であるが、オキアミなども食べる。

食用にされるが、磯臭いので敬遠される。旬は磯臭さが少なくなる冬で、刺し身、洗い、ちり鍋にする。海藻が詰まった内臓を傷つけないように調理すれば磯臭さは防げる。死後は急速に味が落ち、臭いもきつくなるので早めに調理すること。

釣りではメジナ釣りの外道とされる。針にかかると強い引きで、イシダイやイスズミに匹敵するほどである。浮きのフカセ釣りで釣れ、口が小さいので小さめの針で釣ると良い。