オハグロベラ

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真核生物上界 動物界 後生動物亜界 脊索動物門 脊椎動物亜門 顎口上綱 条鰭綱 新鰭亜綱
 スズキ目 ベラ亜目 ベラ科 カンムリベラ亜科 オハグロベラ属


全長: 12cm


学名: Pteragogus flagellifer


英名: Cocktailfish (Cock = 雄鶏  tail = 尾)
Cocktail wrasse (wrasse = ベラ)

漢字名: 鉄漿倍良


地方名: クロベラ・クソベベ(東京)
モクズ(富山)
ヒョウタンキザミ(広島)
イソグツ(高知)
モクサビ(長崎)
カンフリ(壱岐、玄海)

千葉県・島根県以南、西太平洋・インド洋に分布する。
浅海の岩礁域の海藻の間に生息する。

雄と雌で体色は違い、雄は黒緑色で鱗が大きく縁は黄緑色。雌は赤みがかった黄褐色で、腹部に青紫色の小斑がある。雄の背鰭の第二棘は糸状に伸びている。眼の後方の鰓蓋上に小さい暗色斑がある。

群れは作らず単独で生活し、夜は海藻の根元や岩陰で眠る。小形の甲殻類や貝類を食べる。

食用となるが、味は良くないと言われる。釣りでは外道として釣れる。

和名の由来は体色が黒みを帯びているところから来ている。特に雄は婚姻色になると頭部がお歯黒のように黒くなる。

江戸時代、江戸では既婚女性が歯を黒く染めることを「お歯黒」といった。歯を黒く染めることによって、結婚したという事実をまわりの人びとに表示したのである。未亡人でも、お歯黒のままでいると、再婚の意志がないことを意味した。

歯を黒くするには、古釘などの鉄片を酢や濃い茶などに浸し、さらに飴や粥を加え酸化させた液体を作った。しばらくすると黒味を帯びるが、これを「鉄漿(カネ)」「お歯黒」と呼んだ。この鉄漿をホウロウ質の歯に付着させるには五倍子(フシ)の粉を使った。五倍子はヌルデの芽や葉にできた瘤状の部分で、タンニンを多く含んでいる。お歯黒には実用的な側面があり、虫歯や歯槽膿漏を予防に効果があったほか、出産による歯質の衰えまで防いでくれた。単にファッションとして染めていたわけではないのである。

英名の cocktail はカクテルのことであるが、カクテルの語源は諸説がある。その昔、お酒を混ぜるのに雄鶏の尾を使っていたボーイにある客が、そのお酒がおいしかったので「それは何か」とお酒を尋ねたところ、ボーイはその道具を尋ねられたのと勘違いして「雄鶏の尾(カクテル)です。」と答えてしまったらしい、と言う説は面白い。