リュウキュウヤライイシモチ

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真核生物上界 動物界 後生動物亜界 脊索動物門 脊椎動物亜門 顎口上綱 条鰭綱 新鰭亜綱
 スズキ目 スズキ亜目 テンジクダイ科 コミナトテンジクダイ亜科 ヤライイシモチ属


全長: 17cm


学名: Cheilodipterus macrodon


英名: Tiger cardinalfish (Tiger = トラ cardinal = 主たる、深紅色の)
Large toothed cardinalfish (Large = 大きな toothed = 歯をした)
Eight-lined cardinalfish

漢字名: 琉球矢来石持


地方名: ウーミー(沖縄県糸満)
ウフミー(沖縄県国頭村字浜)
イシイザ(沖縄県平良市字狩俣)
イシイタ(沖縄県平良市久松)
ウルイユ(久米島仲里村字真泊)

本州中部以南、西太平洋、インド洋、紅海に分布
サンゴ礁域の礁湖、礁斜面の岩穴や岩礁域に生息する。

幼魚は尾柄部に眼状黒斑があるが、成魚では不明瞭となる。

体側の褐色縦帯は8本ある。英名でもあるように犬歯が大きく一見して分かるほどである。

昼間は岩穴に単独でじっとしていて、夜に餌を探す。

一般にテンジクダイ類は群れて生活しているものが多いが、産卵期にはつがいになった2匹が群れを離れて遊泳する。離れた2匹は岩礁や造礁サンゴの周辺で縄張りを持ち、産卵までの7日から10日までの間一緒にいる。

ペアはお互いに体を摺り寄せる産卵誘発行動の後、雄が仰向けの状態になりお互いの腹部を密着させ、放卵と放精が同時に始まる。テンジクダイ類の雌が1回に産む卵の数は6千〜2万と言われていて、卵径はかなり小さいが、粘着糸で繋がっていて直径15mmくらいの卵塊状になっているので、雄が間違えて飲み込むような事はない。雄は放精後すぐに向きを変え、卵塊を自分の口腔内に受け入れ口内保育に入る。

口内保育とは産卵後の受精卵を雄が口腔内に収容し、孵化後のしばらくの間新鮮な海水を卵に送り、安全に守るという行動である。口内保育の期間は8日〜10日であるが、雄は単独で岩陰などで行い、その間は餌をとらない。ごく稀に、雌が卵をくわえる場合もある。危険な卵の時期を親の口の中で保護されるので、ほとんど無事にふ化することができる。

体が小さい割に眼が大きいので沖縄では「ウフミー(大きい目)」と呼ばれる。

釣りや刺し網などで漁獲される。